脚本:岩下悠子 監督:守下敏行
ゲスト:渡部豪太
右京(水谷豊)は、小手鞠(森口瑤子)の誘いで、氷室聖矢(渡部豪太)というフラワーアーティストの展覧会を見学する。氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、女性が氷室のオフィスで殺されているのが発見される。捜査一課が氷室を疑ういっぽう、右京と亘(反町隆史)は、氷室と十年来の仕事仲間だという生花の卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。
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奥深いストーリーでした。
時々、オンエア時にはあまり感じなかったのに、あとあとになって一気に理解できて面白いと思うことがありますが、今回はそういう作品のような気がします。(スイマセン、分かりづらい表現ですよね)
来週は風間杜夫さんが同じ役で再登場?
楽しみです。
さすが岩下脚本、今回は文句なしに面白かったです。
なんというか、この人の脚本はキャラクターがとてもいきいきと動き回るんですよね。
レギュラーの捜一トリオや青木もそうですし、ゲストキャラたちもとても魅力的に立ち回っていました。
たとえば犯人である一之瀬にしても、行動や台詞などの描写がしっかり描かれていたからあのラストに説得力が出ている。見ているこちら側にも「あ、これただの嫉妬じゃないな」という印象を与えながら物語に引き込ませるような仕掛けになっているのがとても秀逸だと思いました。
他にも右京に翻弄される青木や冠城に振り回されるイタミン、右京に逆ギレする出雲など小ネタがいちいち面白い。キャラの描写がとにかく細やかでムダがないのがよかったですね。
これを期にまた岩下氏が相棒の脚本に復帰してくれるといいのですが。
そういえば一部で話題になっていましたが氷室役の渡部豪太氏、本当にスマホ広告などでよく見る”ポリコレアフロ”にそっくりですね(笑)
ちょっと庄司智春にも似ているような気がしましたが。
13年ぶりに脚本を手掛けただけに、昔の相棒を見ているような感じで良かったです!
他にまた、古参の脚本家の方々の作品を見てみたいですね!
さすがは岩下さんの脚本、お見事でした。
しかし結局は氷室さんと一ノ瀬さんの関係って何だったんだろうか?
一ノ瀬さんは氷室さんをどうしたかったのか?は闇に消えてしまいましたね。
視聴者の皆さんで考えてみてくださいって感じですね。
さて、来週はあの詐欺師の平井さんがまた出て来ますね。
season15『出来心』と同じで山本むつみさんの脚本ですね。
楽しみですが再登場ならば、ブラックパールの女や新崎芽依さんも先に出して欲しかったです。
もうすぐ亘ちゃんの卒業なんですから。
とても面白かった内容だと思います。とくにフラワーアレンジメントやそれにちなんでフラワーアートなどの新しい分野があり、比較的楽しい趣味を拝見することが意外と面白かった。外国人のバイリンガルの女性を探してそれを利用した時間の無駄に使った捜査は、はっきり言って言語道断です。伊丹さんが右京さんに対して、これはもう博識に近いほどたくさんの情報網が持っていることを言いたかったかもしれない。特命係の2人の情報を普段から捜査一課や角田課長、それに青木君まで使って捜査することが意外と面白かった。被疑者が毒殺で死亡したケースは相棒ではかなりの頻度で使われています。次回は風間社間さんの回が楽しみです。
花の名前と花粉の性質がヒントになっていたとは気づきませんでした。
花に詳しい人なら気づけたのでしょうか?
今回の肝は犯人の動機なのでしょうが、明かされてもそこまで驚きませんでした。
ミステリとしては少し物足りなかったかな。
事件筋も去ることながら小ネタも多く、いちいち一級品の面白さでしたね〜(青木への“心にもない”謝罪、捜一絡みなどなど)
岩下さんや戸田山さんの脚本って、事件筋以外にも人物の細かい背景描写やテーマとなる娯楽への蘊蓄の多さがあって、それらが物語にものすごく深みを与えてるんですよね。流石としか言いようがない。
爽快とも憂鬱ともつかない不思議な後味の残る話でこれもまた一興ですが、個人的には渡部さん演じるアーティストの笑顔が見たかったかなぁ。科捜研の女で岩下さんといえば感動ラスト、のイメージが染み付いちゃってるので。笑
山本脚本は自分の中では下火でしたが、次回大好きな「出来心」の詐欺師の2人が登場するとのことで、大変楽しみです!今季は本当に面白い回が多いな〜
文句なしに良かったです!
特に、私が「岩下さんさすが!」と驚嘆したのが、自白した犯人に向けての冠城のセリフ「嫉妬なんかで人生棒に振るなんて」。
上手く言い表せないのですが、これ、まさに今まで7年かけて描かれてきた冠城の価値観や生き方を、たった一言で象徴した様な台詞だと思うんですよね。亀山も神戸もこういう言い方はしなかったと思う。まさしく冠城だからこそ言える、冠城らしさに溢れた素晴らしいセリフ。
何よりも凄いのが、これを書いたのが、最古参の一人とはいえ、冠城期は一回も書いていない岩下さんだということですよね。冠城期の脚本を何本も書いている人たちでさえ、彼のキャラを掴み切れておらず、彼の存在意義が全く感じられ無い様な脚本を量産し続けているのに…たった一回で他の脚本家陣との格の違いを見せつけられた気さえします。今後も相棒でぜひ書いて頂きたいです。
冠城以外の青木や出雲の動かし方も見事に手慣れていて、全てのキャラが生き生きとしていましたね。
青木とのやり取りや、冠城を謝罪に行かせるなど、右京さんの嫌らしさがきちんと発揮されてたのも凄く良かったです。輿水さん以外の最近の脚本家さんの描く右京さんは毒が抜けてることも多いので、この辺は最古参の岩下さんだからこそかなと。
事件自体のオチも、捻りを効かせたもので非常に良かったです。ホワイダニット好きなので、犯人自体はわかりやすく設定して視聴者をミスリードしつつ、動機を物語の肝に持ってくる今回の構成は非常に好みでした。
やっぱりこういう、一見常人には理解し難い犯人の一途な美学・行動原理を魅せていくのは相棒らしさがあって好きですね。
「事件の度に氷室は成功へのステップを踏んでいる」「犯人の『花を傷つける』ことについての一連の台詞」「ただの嫉妬でそんなに長期間氷室に付き纏うだろうか?」など、真の動機に繋がる伏線はおおむねわかりやすく提示されていましたし、動機当てとしても難しすぎない良い難易度だったのではないでしょうか。
ただ、あえて難点を挙げるなら、動機を「嫉妬」の方向にミスリードすることに注力しすぎたせいか、犯人と氷室の関係性が説明台詞だけで殆ど掘り下げられておらず、「真の動機」にイマイチ説得力がないことですかね…ミステリーを追及したせいで、逆にドラマとしての納得感が乏しくなってしまったというか。
さりげない描写でいいので、もっと画的に犯人と氷室の関係の深さ、犯人にとっての氷室という存在の大きさが何となく感じ取れる様なものがあれば良かったのですが…ただ、そうしてしまうと今度はバレバレになってしまいミステリーとして破綻してしまうので難しいところですね…
同じ「創作者ならではの動機」ものとして、ドラマ性もミステリーも完璧だった「蟷螂たちの幸福」は本当に良く出来ていたんだなと実感します。
人物理解の正確さ、キャラの動かし方、動機当てものとしての完成度の高さなど、総じて非常に満足度が高く、今期では個人的には「マイルール」と並び暫定トップです。
次回、山本さん脚本で風間杜夫さん再登場自体は楽しみなのですが、なぜこのタイミングで…?
山本さんには何を置いても冠城卒業までに「遠峰小夜子シリーズ」を完結させて欲しいのですが…
最近の山本さんが1シーズン1~2作しか担当していないことを考えると、ちょっと心配になります。
新崎芽依との関係もまだ回収できてないですし。
今回も面白かったです。でも相棒が亀山君だったら…そして犯人を自殺させずに進行したら…とは思いました。もし亀ちゃんだったら終盤に犯人に対して〝彼はなあ、両親に捨てられ、学校でもイジメられて悲惨な子供期を過ごしたんだ!そんな彼に追い打ちをかける様に精神的に苦痛をこれでもかと与える…あんたそれでも人間かよ!”と食ってかかったかも知れませんね、そして右京さんの〝亀山君っ!”で止めるという(笑)。で、ラストに右京さんが犯人に対し面会に行き、〝あなたは本当は彼の才能を認めていた、そして才能を極限まで引き出すのはどうすれば良いか、そう考えていたのではありませんか?”と問い、犯人が〝ふっそんな事考えるわけないじゃないですか。あいつが憎くて貶めたかったから、ああした。それだけですよ”となったかも知れません。長文・駄文、失礼いたしました。
花の美しさを前面に出しつつ、淡々と話が進み、最後になってゾッとする感じが、いかにも相棒らしい。
テッセンは初夏に咲く花。
その季節にない花を使うことで、フラワーショップだから可能ということを暗示させたかったのでしょうか。
他にもいい状態の花をたくさん用意されていました。
生き物ですから、スタッフの方も大変だったと思います。
なかなか面白かったと思いました。
犯人は本当の動機を30分過ぎに語ってましたね。
動機として氷室と一之瀬の痴情のもつれもあるのではと思いましたが、さすがにそれはなかった。
氷室に苦しみを与えるために殺人までするだろうか、動機として弱くないか、見終わった直後はそう思ってましたが、振り返って考えてみると、これもありかなと思えてきて、動機として納得できました。それにしてもニセ恋人を何百万円もかけて雇うとは、一之瀬さんお金持ちですねー。
今回もおもしろかったです。実は最初に出て来た女の秘書さんの語調と目つきがきつかったので、この人が犯人ではないかと思っていたのですが、全くはずれでしたねー。結局助手が悪魔だったわけですが、この人の憎しみとともに陶酔ととれる表情が時々見えたので、役者さんうまいなーと思って見ていました。すべては芸術のためか。それから、右京が推理をしていくシーンはシャーロック・ホームズのようで、右京ってこういう人だよなと改めて認識してしまった。
テレビの画面を通してですが、氷室の作品はダイナミックに見えました。こでまりのお店の奥に移る小道具はいつも楽しみにしているのですが、お花が今回はいつにもましてきれいでした。雰囲気がちょっといつもとは活ける人が人が違うのかな、氷室の作品を作った人と同じ人?あとは、青木が愛を否定する言葉が2度も出てきましたが、とても青木らしくて笑いました。いつか幸せになってほしいですが。
犯人は、氷室さんのことを愛していたのではないか?
だから、氷室さんの婚約者が当初予定の氷室さんの前から姿を消すのではなく、結婚すると言い出した時にカッとなって殺害してしまったのではないか?
そんなことを思いました。
しかし、一番信頼するパートナーを失った氷室さんが今後どうなっていくのかというのは、ものすごく気になりました。
フィンガーズクロスからニセモノの愛を見抜いたり、シャツのシミからユリが必要になることを予知していたと指摘する。
家元を怒らせたり、その謝罪と称して冠城を送り込む。
細かくて、めんどくさい。右京ってこういう変人だったよなぁと久々に思い出しましたよ。
悪魔は誰なのか?
一之瀬は最初から怪しかったけど、家元もやっぱり怪しいし、家元の妻すらも怪しく思えた。
脚本・演出ともに見事です。
「より美しく咲かせるために、痛めつけることさえある」まさに、これが動機でしたね。
破壊と再構築。悪と善。
一之瀬は悪魔(ディアボロス)というよりは、トリックスターだったのかな。
★★★★★
割と単純な事件?
やっぱ、あの人が犯人だったか~
意外と、底の浅い事件だったな~
と思ったら、
最後の最後、犯人自殺!
犯人が書き残したメッセージが、
これまた、犯人が死んじゃった以上、
否定することのできない「置き土産」になっちゃって、
氷室さんの心をかき乱しちゃう。
この、犯人の、凄まじく奥深い心理心境に、
私、打ちのめされました。
ご無沙汰しています。
ラストシーンが気になり、ついこちらを覗きにやって来ました。
今回、犯人逮捕されてから毒による自殺…
これは南井の存在を匂わせたラスト、
と感じられたのですが
特にそうしたご意見はないようですね。
一ノ瀬の本当の動機(や氷室との関係性)の部分がやや不明瞭の描き方になっていた事も南井が関係しているからではないかと考えてしまいました。
自分はどうにも南井がシーズン18での終わり方が亡くなったとはされなかったような気がしていますから。
そう考えると皆さんがおっしゃるように冠城卒業までに解決(?)させて欲しい件が多々あるように今更ながら感じています。
残り回数ではとても足りないような気がしてモヤモヤしています。
全体的にはさすが岩下さん脚本、実に楽しめました。
ただ、個人的には犯人が早くに分かってしまったのが残念でした。
昔の「相棒」を見ているような。最後容疑者を簡単に自殺させるところも。
「そこが「相棒」の悪いクセなんです」。
そろそろ青木の警察を逆恨みしている「その後」みたいなのを1本みたい。
随分長らく放置していますよね?その1本で青木退場させるか、改心して態度を改めさせるのかはどちらでもいいです。ただ現状維持っていう逃げだけはカンベンして欲しいです。
久しぶりの岩下氏の脚本なのに、
以前の感じではない。
個人的には物足りない相棒でした。
久しぶりの岩下脚本を堪能しました。しかし、10年以上間を開けて、なぜ復活したのか。その理由を知りたい気もします。過去の作品の個人的ベスト5は、アゲハ蝶・犯人はスズキ・赤いリボンと刑事・白い声・マリリンを探せ(順位はありません)それらに並ぶ作品でした。
まず、役者が生き生きとしました。(捜一や青木とのからみは大笑い)そこから、ある種の狂気を感じとりました。これは、アゲハ蝶や白い声など岩下作品の根底にあるものなのでしょうか。
悲しみの淵に陥れることで、芸術性が開花する。幸せな環境は芸術の敵である。これが今回の狂気ですかね。
シーズン20も残りわずか。いつになったら、冠城の大活躍が見られるのか、そこが気がかりです。
隣室の女、の脚本家だったのですね。薫ちゃんの頃の事件とは、懐かしい。2時間、土曜ワイドみたいな事件でした。
お作法、見せ方を熟知した脚本でした。
亘ももう少し。
ダークナイト級か、殉死か、と噂もありますが、反町復活には、総じては良かったですかね。
水谷さん映画に今後、ソリが出たりして。
以前から他の方の意見を聞きたくなったときによくこの掲示板を覗きにきております。書き込みは初めてです。
「犯人と氷室の関係の深さ」の描写が足りないと仰っている方がおられましたが
序盤で過呼吸を起こした氷室にすぐに一ノ瀬が差し出したラベンダー。
途中で花の指示をしにアトリエに来て具合が悪くなった氷室を抱えて「大丈夫です、僕がついてますから。」と右京に言い切った一ノ瀬。
私はこれらで十分かなと思いました。
確かにあまり描写がありすぎてもバレバレですし…
ただ氷室が一ノ瀬をどう思っていたのか、どういう存在だったのかはほとんど描かれていなかったので、そこが少し気になるところではあります。
こんな感想は的外れかもしれませんが、私は少し切なさを感じるお話でした。
脚本家さんのことは詳しくないので、いつもみなさんの書き込みで勉強させていただいています。
これからも覗きにきます。
きっと冠城くんの最後の日も。
まず
体勢のおかしさや花粉のシミなど色々なことを指摘したり、
相棒も含めて周りの人たちを振り回す感じなど、
右京さんらしさをかなり堪能できましたね。
あと数話で卒業だと言うのに今シーズンの通常回では
ただ右京さんに付き添っていただけだった感を拭えなかった冠城くんも、
今回は適度に目立っていて物語にいいスパイスを加えていたのも良かったです。
レギュラー陣の扱いもよく、笑いとシリアスのバランスもちょうどいい。
とはいえ、フィンガークロスやミスリードなどは分かりやすく事件自体は思ったほど複雑ではなかったですが。
ただ一ノ瀬さんが久々に興味深いキャラをした犯人だったのはとても良いと思います。
嫉妬だけではなく誰よりも氷室さんの才能を引き出そうとしていた人で
最後の最後にとてつもないムチ
(フラワーアーティストが花を加工するためにその花を火で炙るように、と劇中では表現されていましたね)
を与えていったのにはもう言葉もありません。
他の人も自分自身も殺し、いい感じの狂気っぷりでした。
相棒らしさもあって、ここ最近で一番とまでは言わなくとも抜きん出たものを感じる見応えと面白さは間違いなくあったと思えます。
そして岩下さんは今回、冠城くんシリーズの世界観に合わせた脚本を書かれた印象を覚えましたね。
あまり亀山くん時代を思い出す空気は出していなかった気がします。
キャラの動かしかたは確かに昔からの相棒っぽさが溢れていたかもしれませんが。
さて、
次回の「食わせもの」はまさかの6年前「出来心」にて初登場した風間杜夫さん演じる詐欺師のメイン回で、
脚本は引き続き山本むつみさんという驚き。
まさか遠峰小夜子回が冠城くんが卒業するまでに解決できないなんてことあるのだろうか?
新崎芽依さんもどんな形であれ再登場してほしいし。
もし今シーズン中にあるとしたら、山本むつみさんは
かつての太田さんや真野さん、金井さんのようなポジションで二話以上書くことになりますね。
遠峰小夜子さんの件などは最終回スペシャルで絡んでくるなんてこともないことはなさそうですから、どうなるのか様子見です。
とにもかくにも「食わせもの」も楽しみ。
全部のコメントを読ませて頂いて、肯定的な意見全てに同感です
そうそう!それ!!って頷きながら読みました。
次は詐欺師のおじさんが再登場で嬉しいです
中盤で一ノ瀬が自分を氷室の「共犯者」と表現した時はぴんと来なかったのだけど、氷室に心酔するあまりの一体化願望があったのかなと、見終わったあと思った。10年も氷室の制作を支える陰で、活動も私生活も妨害している。一ノ瀬はなかなかねじれた人物だ。氷室の婚約者を殺した理由こそが「嫉妬」なのかも。一ノ瀬の氷室に対する感情は同性愛的にも解釈できるが、氷室が女性に恋をするのは平気なよう。しかし彼女が氷室を「愛してる」のは困ると。「愛してる」とは、氷室を理解してるってことなのか。一ノ瀬は自分よりも氷室の魂に近づく者を許せなかったんじゃないか。氷室の芸術性への崇拝というか執着というか、そういうものが一ノ瀬を狂気に駆り立てたのではないか。しかも、他の方のコメントにもありますが、一ノ瀬と婚約者ができてて痴情のもつれで殺人という遺書を置いていくとは。2人に裏切られて傷ついた氷室だが、これをばねに、より芸術の高みへと飛翔していく…のだろうなぁ。犯人の予想がついた上でも、動機の面でいろいろ想像させられるラスト。面白かったです。
一ノ瀬は氷室の強烈な才能に圧倒され、溢れかえる
ほどの嫉妬心に駆られたからこそ逆に恋焦がれるよ
うになり、憎悪を越えてまでその才能の未踏の進化
を自分の眼でも見極めずにはいられなくなった…。
非常に文学的な内容で、「純文学だ」と自ら言って
しまっている「マイルール」よりも文学性を感じる
展開で、このさりげない濃ゆさが確かな印象を残し
たと思われる一編。さすが岩下悠子氏脚本による作
品で、やっぱり書く人が書くと全然違う。自分はこ
の安定の展開に久しぶりの満足感を得られたのです
が、一方で物足りなさを吐露した方もいらっしゃる
。それもある意味正解で、それと言うのも以前の相
棒では、このレベルの作品がほぼ毎週のように提示
されていたのが通常で、これよりもさらなる満足度
の高い衝撃回がもっと頻繁に観ることが出来ていた
のだから、当然と言えば当然の反応でもある。でも
コレも、あくまでも個人的な感想なのであしからず
。今季は自分的に引っかかるエピソードがなかなか
無く、異色作中の異色作である「操り人形」に若干
の思い入れが残っただけ。と言う訳で本作には遂に
今季初(!)の★4つを献上。最後の冠城シーズン
なのに、この非常事態。でもその冠城亘がいる間に
岩下悠子氏による作品が観れたのも、せめてもの救
いと取るべきか…。そんな想いでいっぱいの「ディ
アボロス」でした。^^
「ミステリと言う勿れ」をコミックで読んでいて、ずっと渡部豪太さんを主人公にして動かしていたのに、
違う俳優さんが出演されていたので、個人的に、渡部さんが久々にドラマに主演していてうれしかったです。
そういうの(やたら渡部さんの名が挙がっていたから)で、配役決めてくれてたら嬉しいな。
物語的には、動機が弱すぎて、ええっ~~~~って感じでした。
久しぶりの「相棒」、初めての「冠城亘」とはとても思えない作品でした。余韻の残し方に亀山期には無いものがあり、セリフはもちろん扱う事件でも亀山期と冠城期の違いを表す手腕に感嘆しました。
この話、ハッキリ言って冨田佳輔さん演じる生花仲卸業者「白金フラワー」社員・一之瀬春臣が黒幕だってすぐわかるオーラぶっ放してましたよね、一ノ瀬が渡部豪太さん演じるフラワーアーティスト・氷室聖矢に過呼吸症状が現れた瞬間にラベンダーの香りを直接嗅がせたところからあれ?とも思ってしまいました。
ラテン語で『悪魔』というタイトルだからこそ個人的に笑えたシーンとあれ?って思ったシーンを幾つか。
(笑えたシーン)
・右京に駄々っ子みたいな怒り方をする麗音(栗田芳宏さん演じる、いけばな有明流家元・美術評論家・尾崎孝月に右京が詰め寄るのは孝月にとっては訳ありとは言え、もはや無理は無いはずなのに逆ギレする孝月も孝月であるが、『もー怒っちゃったじゃ無いですか!』だけ言えばいいのに、飛び跳ねながら怒る理由が・・・まあかわいらしいけど)
・新実芹菜さん演じる氷室の最初の婚約者・栗原玲子
こと深川日菜子が写真でフィンガークロスをしてる話題で青木を使って悪い例えを使った右京(青木くん、オマエに食わせるフレンチ料理なんかねぇっ!!!!!!!!!!)
・青木を使って捜一を利用した特命係(これ、わーくんがまだ法務省から出向中の時にもこの手使ってましたよね)
・孝月の年甲斐もない助平さ(結構なことだが熱くなりすぎて倒れないようにねw、また相手の年齢も考えましょう)
・自分で犯した失態であるにも関わらず尾崎家にわーくんを謝罪に行かせた右京(目的がそれだけじゃないのは目に見えてて、2回目の尾崎家の訪問時には前述の孝月の下心を吐かせようと躍起になってるわーくんもわーくんだが。結果的に小宮久美子さん演じる孝月の妻・敏子の協力もあって吐かせることができたのは流石)
(あれ?って思ったシーン)
・氷室の2人目の婚約者・内田絵里奈を演じた小池唯さん、随分前になりますが某漫画雑誌のグラビアで初めて見ましたが実際テレビで見たのは初めてで、声がかわいすぎますね、そんな人を被害者役にした理由がわからない・・・
・この話、当初は『ディアボロスの献身』というタイトルだったが、『献身』を省いた理由って何でしょう?
・日菜子さん、捜一から問い詰められて観念したときに言った一言について
『oh shoot』・・・×
『oh shit』・・・○
でしょ。
・一ノ瀬さん、どこからそんなにお金が捻出できるのですか?
以上、笑えたシーンとあれ?って思ったシーンでした。
氷室が精神的に不安定なのが終始目立っていたが、何よりあの整った顔で、孝月どころか日菜子や絵里奈を金で操っていたり、弱みを掴みながら操って氷室を陥れた一ノ瀬に鉄拳制裁をしても罰は当たらないでしょ、とさえ感じたり。
最後にこれは本気で考えさせられます。
わーくんが一ノ瀬に言い放った『他人の才能ってそんなに憎いか!?たかが嫉妬で人生、棒に振るなんて・・・』
生きてる以上、人と関わる以上避けられない問題ですが、相手にしないようにすればするほどいつの間にか、気になっているという状況に陥ってしまう、恐ろしい話です・・・
『薔薇と口紅』(S.3-14)で初登場を飾った作者13年ぶりの作品で,今度はフラワーアート,華道の世界/時間を産み出すべく舞い戻ってきてくれた.亘を送り出す最後のシーズンに間に合ったというのは実に喜ばしいこと.処女作にして薔薇の国の沙翁がアクセントとして働いて,既に清新な滅びの美学の古典的完成が描かれていたが,今回は花々に縁取られ百合の花の「蒸せかえるような香り」に包まれた「生」の充溢した作品になった.
芸術家の才能,天才への妬み,を扱った作品は『相棒』の中からも五指に余るほどならすぐ挙げる事ができる,しかし最も系譜として引き継いでいるのは,『薔薇と口紅』の翌週に並んだ櫻井脚本,相棒最初の作品pre.S.1同様ブラームスのパッサカリアで始まる『殺しのピアノ』(S.3-15)だろう,
「調律し直さなければならない事がわかっていたからホールに残っていた」「百合の花を要求してくるのがわかっていたから予め仕入れていた」,両者ともそこを右京に勘づかれたのも同じくだ,何よりも大切で誇りとしている一方は花,一方は調律ハンマーで人を殺めてしまった事も.
才能を刺激し昇華させて,喪失も憎しみも創作を産み出す糧にさせる,パートナー自身を「作品」(一輪の花)に作り上げる,という倒錯した情熱は,起きている事は色々全く逆さまだけれど『ゴースト』に通じるし,また「花粉」に気とつくところは『棋風』を思い出す(この『棋風』もまさに天才と秀才のぶつかりあいから産まれた悲劇だった),
千葉大には園芸学部があるように花のみならず野菜やハーブの一大産地である房総半島に犯人が赴いてた事実を見抜くくだり,そのホームズ譲りの観察眼は,付着した泥土から前日の天気を照らし合わせて群馬にある不動産を突き止めた『監禁』を彷彿とさせる.家元の後ろめたい性癖は『右京のスーツ』-あちらはユーモアがあるが今回は相当いかがわしい,とは言え『ファンタスマゴリ』のような薔薇を汚した嫌らしさには至らない,このギリギリの線を行くところの見事な節度こそ,岩下作品を全て珠玉たらしめているもの,櫻井作品に共通する人間性,もはや品格といっていい.上に挙げた作品は良質な作品ばかりであるが,どれも完全に消化され尽くしていると言って良いだろう.
個人的に気に留まったのは,今回,被害者の女性は当初,氷室を騙すつもりで近づき,それが本気の愛へと変わった.逆の男性が騙そうとして女性を好きになってしまう作品はこれまで思い返せば結構見つかった,しかし今回のケースはありそうで意外にも中々思い出せない,もしかしたら初めてかもしれない.(陣川回の全ては,残念な事だが,勿論どちらでもない,せいぜい好意に変わった段階までだ.それから岩下さんには『貢ぐ女』という作品がある.)
ここ数年では自分の中で『善悪の彼岸』を超えるものはなかなか現れてなかったが,今作はどう控え目に見ても,4代目作品中最高ランクなのは間違いない.(2022/02/05脱稿分改)
これぞ右京さん!
これぞ冠城くん!
これぞトリオ・ザ・捜一!
こういう扱い方でこそ青木年男!
これぞ相棒らしい犯人!
これぞ相棒らしい事件!
これぞ相棒らしい余韻の残しかた!
岩下さんの脚本に拍手を!
さすが相棒や科捜研の女のエピソードの脚本をいくつも担当している岩下さん。こなれている。
芸術家の狂気を深く描いていて良作だった。
犯人と関係者の行動も理にかなっていて、伏線回収も
神がかっていた。
芸術家のことを知っているのならどんな心理なのか分かるはず。
何より相棒らしさがちゃんとあり、異色ではあるものの
間違いなく傑作。