脚本:岩下悠子 監督:内片輝
ゲスト:中山忍 花澄
右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに“情熱の画家”牧村遼太郎の展覧会を訪問。ナイフを手にした男が、『椿二輪』という油絵を切り裂き、来場者に怪我を負わせる事件に遭遇する。『椿二輪』は、遼太郎が自身と愛人を二輪の花に例えたといわれる遺作で、完成直後に心中を企てた曰く付きの作品だった。心中相手は、大宮アカネ(花澄)という女流画家だったが、彼女だけが一命を取り留めていた。しかし、遼太郎の妻・智子(中山忍)は、自分こそが『椿二輪』のモデルだと主張。心中騒動は、アカネによる殺人だと訴えていた。
いや~今回はとても好きな話でしたね。なんというか、岩下マジックに見事してやられた感じでした。
物語が開始してしばらくは「最後のアトリエ」をコメディタッチにしたような話なのかな?と思っていたのですが、最終的には「秘書がやりました」みたいな展開になっていったのは驚かされました。
一見すると岩下氏の脚本によく見られる芝居がかった登場人物がメロドラマを繰り広げるような展開かと思わせておきながら、実際は極めて打算的な人たちによるゲスな思惑が交錯していたというオチは見事の一言です。
芸術家を崇めていた人たちがその本質を理解せず、ただのコソドロがそれを直感的に感じ取っていたという皮肉な結果も実に小気味いい。
でもそれを告げられた妻の誇らしげ表情がまた物語に深みを与えていたと思います。
あとやっぱり岩下氏は亀山くんの扱い方が上手ですね。
ママチャリで疾走させたり、相変わらず感性がずば抜けて鋭かったり亀山薫というキャラの魅力を十二分に引き出していたように思えます。
というか亀山は出雲のこと「レオンちゃん」呼びなんですね(笑)
亀山薫は味覚だけじゃなく、審美眼も優れていたのか!
しかも、それが事件解決の糸口になるとか、懐かしくもありうれしくもあり。
見どころはそこだけでした。
ストーリー的には、なんだこりゃ?って感じ。
そして、演出の問題なのか、演者の演技力の問題なのか、いろいろ残念な感じでもある。
★★★☆☆
面白かったです❗
岩下悠子さんの脚本という事で期待していましたが、期待を裏切らない佳作でした。まあ個人的にこの方の脚本のリアリティと外連味のバランスが、元々肌が合うのもありますが…(そういう意味では砂本量さんも思いきり好みでした)
基本、面白い時には多くを語らないという事で、良かった所を挙げますと──
●薫ちゃんの『麗音ちゃん』呼び
●味覚、嗅覚に続き、薫ちゃんの野生の美的感性が役立つ
●仲良しジャンケン
●ネギ拾ってくれるイタミン
等々のキャラクター描写に愛があって良かった。
ストーリーもミステリ的にもちゃんとしてましたが、個人的に仕事で絵も描くので、ラストに救いを感じられて良かったです。大先輩の藤子・F・不二雄先生の『エスパー魔美』という作品で主人公の魔美は画家の娘なのですが、そのボーイフレンドで絵心が無い男の子が名画の贋作を見破る話があります。そのラストで本物の名画を見て、彼も今回の薫ちゃんみたいに『何だか分からないけど感動する』と言うんですよね。絵を描く人間にとってそれって最大の賛辞だなあってずっと思ってて、その何とも言えないカンジを表現出来るストーリーを作れるF先生はやっぱり凄いなあって思ってましたが、今回の落とし所を窃盗犯を使って同じ境地に持ってきた岩下さんも流石です!
とても面白かった内容でしたね。芸術家という偉大な人物像がいることが、初めて聞きました。でもそれを来場者の人に怪我をさせたことは一番許せないと思います。被害者の絵を切り裂く行為は、恐らく恨みがあったか、もしくは嫉妬心を抱いてやった行為だと思う。今回は恨みによるものではなく、嫉妬心であることを突き止めた右京さんの信念がすごいと思います。犯人を追跡中に自転車を使った亀ちゃんに拍手‼すごい運動神経を持っているじゃないかなと思ってしまうほど、びっくりしました。途中で、自転車のかごから長ねぎがなくなったと騒ぐ亀ちゃんに対して、伊丹さんが拾って来たネギを持ってきてくれましたね。これか❓といったセリフに大爆笑しました。芸術文化というものは博物館や美術館で飾られている絵や作品、国宝に指定されている展示物も含めて芸術的な作品ばかりですね。次回は美和子さんが襲撃されてしまうので、すごく心配です。次回も楽しみに。
亀山くんが本人も知らない間に役に立ってるのが好きですw
味覚、嗅覚、霊感に続き美的感覚もあるんですね〜
特命係の二人が、追悼展に行った理由は知りたかったですが、そこ右京さんの個人的洞察力が働いたということでしょうね。
亀山さんの「情熱を感じない」がヒントになるところや、最後に右京さんがそれがヒントになったと話したのも良かったです。
そして当の本人亀山さんが「褒められてるのか貶されてるのか』と呟いたところですかさず美和子さんがフォローしたのも良かったと思います。
なんというか亀山さん、”シン”亀山薫じゃなくて、”帰ってきた”亀山薫だなあと今更ながらに感じました。
今回は作品的には岩下さんらしい作風だと思いますが、僕の個人的な感想としては、あまり好きな話では無かったです。
故人の作品(遺作)の世間的評価を高めて、その余韻に浸るためだけに贋作使って事件を起こした愚かな故人の妻の話って感じで、この妻(中山忍)や故人(牧村画伯)の愛人さん、画廊のオーナーや絵を切り裂いた犯人らに対してちょっとやるせなさを感じましたよ。
それに対して率直に故人の椿二輪の絵に魅了され、人生を変えようと考えた盗っ人青年には共感させられました。
自分の人生を変えるキッカケはどこで発生するかはわかりませんね。
故·牧村遼太郎さんの遺作、本物の椿二輪が無事で良かったです。
あの絵はまた近いうちに相棒の展示会に出品されるのかな?
僕もちょっと間近で見てみたいものです。
あっ、最後の「こてまり」での会話、あれは完全に亀山君を馬鹿にした右京さんの発言だと思いますよ、僕は。
来週は美和子さんにまつわる話のようですね。
川﨑脚本に期待してます。
ゲストの元宝塚女優さんの陽月華さんは、過去に2回ご出演されてますね、Season10、Season12と。
3度目も楽しみにしてます。
面白かった。私の中では今期のベストになります。
芸術に縁のなかった窃盗犯が椿二輪の絵に心を惹かれて持っていった、さらには毎日眺めてたっての、最高ですね。味覚だけでなく、美の本質も見抜く亀山くん、良かった。しかし右京さん、芸術に縁遠いは言い過ぎです(笑)。
ほぼ毎日テラサで過去作を見てるんですが、今日はシーズン63話蟷螂たちの幸福を見ました。荻野目慶子さん出演の名作です。なんか今回の話と似てる部分もありましたね。
良いお話でした。どうでもいい事が気になったので一つだけ。
椿の絵が本物も贋作も椿に見えなかったのは、そういう品種なのかな?椿らしい葉のつき方や形をしてないように感じました。
さすがにドラマの美術さんも絵の勉強(物の構造を理解する)くらいしてるだろうから、ああいう品種があったら教えて下さい。
視聴率は13.3パー。土曜ワイド的な要素ある、サスペンスの原点に近い良いストーリーだったと思います。
中山忍さん出てきた時点で、犯人に近い匂いがしますね。
愛人役は、セクシーさ出していましたが、若い教え子設定でも良かったか。
亀ちゃんの活用は良いですね!
ただ自転車で一人?とか、薫ちゃん酷使、軽視は考えてあげて欲しいです。
絵の盗っ人も盗っ人感がまるでない普通の人でしたね。
願わくば、絵についての薀蓄、愛人の動機が弱いので、絵画の資産の山分けとか、もう少し肉厚にして欲しかったです。
ただ、美的、ビジュアル的には、見やすく良かったですね!一つ前は、内容良いのに、ビジュアル問題か、視聴率悪く、残念でしたので、回復基調かと。
今回の話で展覧会に使われたあの建物と相棒20の3話「贈る言葉」にあった宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)のオフィスの内面が似てるような気がするんですが、気のせいですかね?
うーん、相棒っていうより、名探偵コナンとか何か別のもののような気がしてならない回でしたね。これはこれでおもしろかったですが。
こてまりが2回映ったと思ったら、後ろのお花も2回変わっていてびっくりでした。あの店はやっぱり和がいいなあ。
右京さんの趣味(興味)に亀山さんも付き合う流れが懐かしい。
「情熱を感じない」がそうくるとは…と膝を打ちました。
昔の回で右京さんが「時として君の舌は君自身より優秀」と評価していたのを思い出し、懐かしさも相まって笑ってしまいました。
懐かしいついでに言うと、今回こてまりさんと美和子さんが話していたシーンはたまきさんと美和子さんのやりとりを彷彿とさせられました。
亀山さんと捜一トリオ含め、サラッとしたやりとりの方がテンポが良くて事件に集中しやすい。
無駄なシーンがなく、あっという間に1時間が過ぎたように感じました。
妙に芝居がかってるなと思ったシーンがありましたが、それまで大袈裟に振る舞っていたからこその最後、夫の絵がちゃんと評価されていたことを実感した時の静けさに活きてくるんだなと納得しました。
岩下脚本の中では、シーズン20のディアボロスに近いものを感じました。芸術家とそこにかかわる人の狂気という点で似ていました。自分にとっては、良作でした。亀山は、イカやワインだけでなく、絵にも本能的な何かを持っているということでしょうか。ちょっとだけ、人質になった男、ひっかかってはいたのですが、なるほどそういう展開でしたか。見直したら、右京さんは、服のほつれに確かに気づくシーンがありました。
相棒の暗黙のルール?として、捜査一課は殺人事件以外は、基本顔を出さないというのがあったのに、なぜ今回出てきているのかがちょっとひっかかりました。もちろん、からみじたいは面白いのですがねえ。
芸術家の評価を上げるための、茶番劇的なお話に思えましたが、どのような理由があれ、没後に評価される芸術家は少なからずいると思います。ただ偽りの心中事件など、他人の死を弄ぶのはいかがなものでしょうか。
贋作とはいえ、作品を故意に引き裂きさくシーン。某覆面アーティストを意識したのでしょうか。
本物の「椿二輪」を盗んだ梅田さん。窃盗が許されるわけではないのですが、牧村さんの作品に魅了され、人生観が変わり、今まで以上にまじめに生きる糧を得た事は大きいと思います。
画廊に展示された「椿二輪」が贋作と感じた亀山さんでしたが、今もなお五感(今回は視覚)が優れているのですね(「殺人晩餐会」「琥珀色の殺人」では味覚、「剣聖」では触覚、「希望の終盤」では嗅覚が活かされましたね)。贋作を切り裂きスクーターで逃走の犯人をママチャリで追いかけるパワフルな所は、今も変わりませんね。
小ネタてきには、作品を切り裂いた犯人を捜す亀山さんに、不本意ながらも協力する捜査一課の3人がいいですね(長ネギも探してくれましたね)。
久々に酷いエピソードでした。終止現実味のないストーリーで、ゲスト陣の演技も軒並み微妙。「こういう展開を魅せたい」ばかりが先行してキャラクターがただの駒に見えてしまう。残念でした。
今どき内容の面白さ=視聴率にはならないですよ。
視聴媒体もたくさんありますし。
「牧村遼太郎さんの半生に女性問題など偽のストーリーをどうやって上手いこと付け加えたのか?」
など無理やり感のある部分もありましたが、
「椿二輪」という絵を中心に起こる事件の内容自体は
面白く
全体的な話としては見応えがあり、
魔性の女役に選ばれたアカネさんや
椿二輪という絵に心を奪われた窃盗犯の男など
登場人物のキャラの濃さや
食べ物の味だけでなく芸術のほうでも感性が鋭くなる亀山くんの相棒ぶりなど
小ネタもかなり面白かった。
右京さんと亀山くんのジャンケンなど昔の相棒を思い起こさせるシーンや展開がところどころにあったのも良かったです。
アカネさん役である花澄さんの魔性の女を演じてる感がほんの少し漂う演技もインパクト大でした。
個人的にギャグシーンがとてもおもしろいと思えるものでしたし、
展開のほうも相棒らしい二転三転するものできょうみ深く見れたので、良作だとおもえました。