脚本:川﨑龍太 監督:守下敏行
ゲスト:忍成修吾 陽月華
美和子(鈴木砂羽)が取材先の民家で襲われる事件が発生。さらに、現場からホームヘルパーの男性の遺体が発見される。室内を物色した形跡や手口から、窃盗犯の仕業と思われた。美和子は、その家に住む柳沼勝治(忍成修吾)という元受刑者の妻を取材しようとして事件に巻き込まれたらしい。
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今回もよかったですね。実質美和子のジャーナリスト復帰回にして亀山夫妻が大活躍するというのは嬉しい限りです。
あとくしくも無軌道な強盗事件というタイムリーな話題を扱っていましたね。しかしながら刑事ドラマの中でしか見なかったような凶悪な事件が現実でも頻繁に起こってしまうというのが恐ろしいですよね。
日本の貧困化、それに伴う治安の悪化を感じざるを得ないです。
今回は「相棒」シリーズでも今まで何度も取りあげられていた「犯罪被害者の復讐心」に対してひとつの答えを示した回だったような気がします。
犯罪被害者の「どうやって許したらいいんですか?」という問いに対して「もう自分を許してください」と答えることができるのは亀山だけでしょう(歴代の相棒たち、そして右京でさせもそれはできなかったかもしれません)。
彼女が本当に許せなかたのは加害者ではなく自分自身だったことを真っ先に見抜いていたのが実に亀山くんらしいですよね。
しかし美和子が彼女へのインタビューを記事にしていたようですが、結局その記事の内容はどのようなものだったんでしょうね?
彼女があの男と結婚したのは復讐のためだったわけで、つまり美和子のインタビューに答えたときは嘘を語っていたわけなのですが、実際記事になったのは事件解決後ということで…結局彼女はあの後美和子に対して真実を語ったのでしょうかね?
しかし今回の犯人…ではないですが首謀者の人物は最後までイラっとさせられましたね。
彼女の言った通り、本当に身勝手な人間です。
この男の身勝手な自殺願望のおかげで結局被害者遺族が犯罪者になってしまったわけですから。
復讐したがってる人間に殺されようとする行為は美談でもなんでもなく、たださらなる犯罪者を増やしただけというのがこの話のミソだった気がします。
そして来週はついに亀山くんが「彼女」と再会するのですねぇ。
彼女との再会はなんとしても今シーズン中に見ておきたかったので実現して嬉しい限りです。
心に残る名作でした。特に柳沼勝治と獄中結婚した聖美さんの葛藤は胸に迫るものがありました。
姉のように慕っていた綾さんが自分のせいで事件に巻き込まれてしまい、復讐のために勝治殺害を決意して獄中結婚。しかし出所直前で脳卒中で倒れて勝治は寝たきりに……。
「いつかあの男が生きる希望を見出した時、命を奪ってやる……」
そう決意したものの、きっと聖美さんは勝治を介護する中で復讐心が薄れていく自分に苦しんでいたんでしょうね。勝治に復讐しない=勝治を許すこと。それが綾さんを裏切ることになるのではないかと。
「どうやって許したらいいんですか!?」このセリフは、聖美さんの心の叫びだったと思います。
あとは、「寝たきりの元通り魔殺人犯」という設定、そして柳沼勝治というキャラクターに引き込まれました。
おそらく他の刑事ドラマでは登場しないキャラクターですよね。「相棒」ならでは。
勝治が今回このような事件を起こしたのは、聖美さんに裏切られたという思いが一番の理由なんでしょうね。だから15年前と同じように自暴自棄になって事件を引き起こしてしまった。
単純なハッピーエンドではないですが、最後に少し希望も感じることができ、ビターなドラマとして素晴らしかったです。
そして、400回放送おめでとうございます。これからも放送を楽しみにしています。
今シーズンで一番相棒らしい、考えさせられるお話でした。
相棒でこういう話がずっと見たかったので大満足。
陽月華さんの演技が素晴らしく、涙する場面ではこちらももらい泣きで自然と涙が浮かんできました。
忍成さんは昔から悪役が本当に上手だし、他のゲスト俳優さんたち皆さんの配役も最高、脚本も完璧でした。
ああ、相棒ってこういうドラマだったなと感心しきりです。
シーズン3〜5あたりの話を思い出す雰囲気で本当によかった。
次回は待望のヒロコママ登場ですが、亀山薫が相棒のシーズンでは本当に久々なのでとても楽しみです。
予告の深沢さんが当時と変わってなくてまるで昔に戻ったかのような錯覚を覚えます。
相棒のお2人もシーズンスタート時より段々と若返ってきているというか本当に右京と薫のコンビが14年ぶりとは思えなくなってきました。
とてもいい話で、よかったと思います。最近のニュースでは、誰でもよかったとか、死刑になりたくて人を殺したという供述があるような、犯人たちの欲望につながる感情が十分にあると感じました。苦しみと辛い気持ちを打ち明けた場面にはすごく感動しました。本当にその気持ちが伝わることの大切さを改めていい勉強になりました。捜査一課と協力しながらも捜査に乗り出した右京さんたちが面白かったです。でも最後は、右京さんと亀ちゃんがあの奥さんに対して怒りをを悟ったお説教が一番印象的でした。自分だけを責めるだけでなく、前向きに自分の人生を見つめ直すという気持ちと、前向きに自分の生き方を変えていくことの大切さを改めて実感しました。次回はヒロコママさんが出るので、すごく楽しみです。
う〜ん…そこまで不出来な話とは言わないですが、観てすぐ思ったのは『勿体ない』ですかね。
復讐を胸に殺人犯を介護する被害者の関係者─という図式はシーズン9の佳作『もがり笛』と同じですからね。それと違ったテイストを出すにはどうすればって事なんですけど、今回上手くやれば充分出来たと思うんですよ。
その為には“まばたきによる意思疎通”という、今回独自の設定をもっと活かせば良かったのに。柳沼が自分の殺人を依頼した動機が『体が動かなくなって生きていくのが嫌になったから』というのでは、死刑になりたくて通り魔殺人を犯した15年前と一緒ですよね?それが当たり前過ぎてつまらなかったんです。獄中結婚をした女性が復讐の為だったとして、柳沼もそれに気が付いたとしても、いつの間にか憎みながらも心が通ってる関係になってたとします。それが脳卒中で倒れ、死にたがってる柳沼を介護して生かし続けるのも復讐だと言うのもいいでしょう。
でもそこで柳沼が死にたがってるのはホントに死刑になりたかった昔と同じなのか?介護し続けてくれる妻を自由にしてあげたいからではないのか?
妻もホントに復讐の為だけに介護してるのか?
そこをどちらか分からない様に上手く展開させたら、良いラストが作れたんじゃないかあ?
事件が終わり本人達も自分が相手を憎んでいるのか愛しているのか分からなくなっていて、最後に妻が柳沼に「貴方は私を愛してるの?」と訊く。
果たして柳沼のまばたきは1回なのか、2回なのか?答えは視聴者にも観せずにドラマは終わる──みたいな。
今回の材料ならそんなストーリーも出来たと思うので『勿体ない』と思った次第です。『殺してくれとアイツは言った』じゃないけどそんなイレギュラーなラストも出来たのに、ホント勿体ないな〜。
今回も良かったです。
今シーズンは面白く見ています。
殺人依頼をしたのがまさか柳沼勝治本人だとは予想もしませんでした。
SNSをしていることも、社会と繋がりを求めている=生きたがっているのかと思っていました。
私も気になるのは、最後に出てきた美和子のインタビュー記事の内容です。
美和子は聖美さんの獄中結婚の真の目的を知っているわけですよね?
知った上で嘘の理由を語った記事を書き掲載された?
美和子はジャーナリストとしてそれで納得するのかな?と
今までの彼女のキャラクター像を考えると違和感…
でも、復讐のために獄中結婚しました〜なんて語った記事を載せたら
それこそ世の中大騒ぎで、たぶんこてまりで呑気に乾杯なんてやってられないですよね…
あと、今回のように自分自身の殺害を依頼した場合って何かの罪に問われるのでしょうか?
柳沼にとっては聖美さんの獄中結婚の目的を知ったことや、彼女が去っていくことが
ある意味最大の絶望と苦痛だろうから、そういう意味では聖美さんは復讐を果たしたことになるのかな…
被害者遺族の苦しみ、これは相棒で何度も取り上げられてきましたが、
本当にやるせないですね。
綾さんの息子さんのこれまでの人生と今後を考えると哀しいです。
「相棒」が戻ったから脚本家にも力が入っているのか力作が続く、とみています。
作者は言っていませんが、死刑制度を考えさせられました。だからといって被害者に合法的に復讐させるのも、ということです。オリエント急行殺人事件や韓国映画に被害者に復讐させるものがありました。確か「相棒」にもそういった作品ありましたね。
今回は殺害される側が犯人だったというものでカタルシスがないハナシでした。
それとTVドラマでよくある、「遅刻したばかりに事件が防げなかった」というのはなくてもよかったんじゃないかっていうのは少し思いました。
じゃあどういう結末にしたかったのか?って言われれば、ないのですがね。
複雑な人間関係をうまいことまとめた回で、良かったと思います。
佐竹青年が「そんな自分が嫌いだった」と言ったのと、聖美さんがすぐにチューブを繋いで「あなた大丈夫?」と気遣ったのは、どちらも同じく性善説から人間の複雑な思いを捉えたのかなと感じました。
わからないのはなぜ自分を殺すように依頼したのか。これは視聴者に考えてみろってことなんですかねえ。単に寝たきりの人生に絶望してなのか、15年前の罪を反省したからなのか、それとも死刑になりたいから犯行を犯した当時のまま単に自殺願望があったからなのか。あるいは「妻」の復讐心に応えてあげるためなのか。いろいろと想像できます。
う〜ん、複雑な人間の心理を描いた話でしたね~。
きっと柳沼勝治さんも妻の聖美さんも、二人とも心の底では愛し合っているのだと思いますよ。
聖美さんも大事な友人を勝治さんに殺されたゆえの復讐のための獄中結婚だったかも知れませんが、いつしか復讐心は薄れて彼への本当の愛が芽生え、勝治さんも聖美さんを愛するがゆえに自分への復讐心から解き放ってあげたくて自殺工作を企てたのかと。
亀山君の最後の聖美さんへの「もう自分を許してあげたら」はなかなか素晴らしい亀山君らしい言葉でしたね。
今回の話も良かったですよ。
来週は掲示板にも書きましたが遂にヒロコママ再登場!
岩下脚本なので楽しみです。
みなさんいろいろな意見があるようですが、個人的には柳沼と聖美の間に心が通い合っていたとか愛が芽生えていたというのはこの話では一切なかったと思います。
柳沼は描かれている範囲では贖罪の感情は一切持ち合わせていないし、自らを殺すことすら極めて身勝手な動機でした。そして聖美が彼の死を止めたのもまた本人が語っているように生かし続けることこそが復讐になると考えたからでしょう。
聖美が囚われていたのは柳沼本人というよりも親友の死を防げなかった自分自身への復讐心であり、事件を経てそれときちんと向き合った結果もはや柳沼への執着は消えてしまったのではないかと感じました。
ですから事件解決後にはあっさり柳沼の元を去って人生をやり直しているのではないか、などと想像してしまいますね。
柳沼夫妻がこれまでの15年間〜今回の事件を経て、心情の変化があったのか否か、これはどちらにも解釈できるような作りでしたね。
ただ個人的には(この作品に限らず)「視聴者の想像にお任せします」的な表現はどちらかと言うと苦手なほうで…
結末が白であれ黒であれ、もっと言えばたとえグレーだったとしても、はっきりそれと分かる描写があって欲しいタイプなので、たとえば最後、美和子のインタビュー記事が雑誌掲載されたシーンで、単におめでとうと褒め称えるだけでなく、掲載に至った経緯を本人もしくは周りの人物のセリフに盛り込んで、聖美に心境の変化があったのかどうか、など分かりやすく表現して欲しかったです。
・聖美が「気持ちの整理がついた」と語り、編集長のゴーサインも出た→晴れて掲載決定、おめでとう!!
・本当の目的を知った今、とても記事には出来ない→残念、お蔵入り…
・彼女の本心がまだはっきり見えてこない→取材継続
…みたいな。
すべてを明らかにすると面白くない、という意見もあるでしょうが、僕の個人的な嗜好ということでお許し頂きたい。
皆さんおっしゃっている様に、寝たきりの殺人犯の心理描写と行動描写が決定的に不足している。ヘルパーに殺人を依頼した経緯とかも。そこがとても重要だっただけに、惜しいなぁと自分も思った。あと、細かいことだけど意思伝達装置だけど、最初すごい時間をかけてリアルに一文字ずつ文章作って言語化してたのに以降はまるで普通に喋ってるみたいに一瞬で長文発してて興醒めしてしまった。こういうエピソードはそういう細かな描写が肝になると思うので大事にして欲しかった。
改めて録画を確認しましたが、記事にはちゃんと聖美さんが包み隠さず話した内容が掲載されていて、一時停止すればある程度読むことができました。
記事も含めて総合的にみると、柳沼が事件を企てた経緯を聞いたことや亀山さんの自分自身を許してあげてという言葉で聖美さんの自責による復讐心を断ち切ることができたことがわかります。
柳沼に関しての描写不足が指摘されていますが、反省や贖罪の意思が欠片もない人物だったので割愛されたんだろうと判断しました。
美和子さん、頭部を血が出る程に殴られたわけですから、手術するためには頭髪は剃られるはず。
だけど手術後も頭髪はそのままで包帯だけ巻かれてるのが不自然に思えたよ。
あれはもしかしたらヅラなのか?
あと忍成修吾って、カイトの時の火の玉大王だよね?
どちらにしてもクズ野郎の役が良く似合うね。
何と言ってもやっぱり終盤の、音楽なしの芝居を見せるシーンが印象的だったなあ。「どうやって許したらいいんですか」からのシーン。これどこまで続くのかなと思ったら、亀山の「あなたは苦しんだ」で受けるあたり、やっぱり今期の相棒は亀山をどこまでも前に出していくんだなあとか、思っちゃいました。いや、よかったです。うるさい音楽なしでセリフと動作だけで見せるって、やっぱり芝居としては見たいんですよね。そういうシーンが増えるのって、とてもいいと思います。
あとはいろいろあったけど、今回は1点だけ指摘。やっぱり「こてまり」の花はどうも洋花と和花が日替わりみたいですよね。でも個人的には和花がいいなあ。
あくまでもドラマだから15年前に自分の大切な人を殺されたとしても,現実的には,いくらその時の犯人に対して抑えられない憎しみがあったとしてもわざわざ獄中の犯人に嘘の甘い言葉を書いて近づいて結婚し脳卒中で倒れて意識があっても会話が全て自動音声会話装置でしか妻となった自分ともコミュニケーションが取れない夫となった犯人を元気になったら自分が殺してやろうとまで思って夫婦になるっていう設定が正に意外性の要素が満載の相棒ならではの設定で面白いと言うと不謹慎だと怒られそうだがかなりインパクトがあった。最後に杉下右京が言った言葉が凄く深く心に残った。「聖美さんひとつだけいいですか?。人を殺して解決することなど世の中にはないんですよ。」
途中までの犯人像
①元受刑者の妻が依頼 ただし、この場合ヘルパーさんが殺される理由がわからない何が別の繋がりが??
②元受刑者本人が依頼 ただし動機は全くわからない。
結局②だったのですがね。
また元受刑者の妻はかつて元受刑者に友達を殺害されていたことや、妻がなぜ元受刑者を殺さなかったのかという理由については、途中まで実は本当に愛してしまったからなのかな?と思ってました。
逆に生かしてやろうと、生きる気力が戻ってきたら殺そうとというのはまさに執念を感じた。
極刑は死刑でいいのかなどいろいろ考えさせられた。
考えさせられる話でした。最大のテーマは被害者関係者の復讐は是なのか非なのか。ということでしょうか?最後の3人のシーンがとても印象的でした。陽月さん、こんな素敵な役者だったんだなあ。(捜査一課長の変な刑事役しかしらないので)彼女の復讐心を亀山は認めつつも、もうやめましょうといい、右京は、何も解決しないという。そして、自らの命を絶とうとする男と、それを思わず助けてしまうという感情。おいらも死刑制度についても、考えてしまいました。ということで、名作です。
次回は予想通りヒロコママ登場。よかった。岩下脚本&ヒロコママということで、あの作品を観直してみました。
高評価が多くて驚いています。神戸くん本人はどちらかと言うとお人好しですが、神戸時代のようなストーリーに戻ってしまったなあと…
相棒はやっぱり全体を通して被害者は泣き寝入りしろという考えなのですよね。現実はそんなもんでしょうが、フィクションでまで加害者一人勝ち、被害者はただ泣き寝入りしろって主張されるのも不快です。
そういう話ばかりでないからプレシーズンから観てはいますが、こういう話は必ず被害者は全く報われず終わりますねえ。相棒に限らないことなのかもしれませんが。
あと単純に介護士同士の動機が弱すぎるw金を独り占めしようとしたならまだわかりますが日和ったからグサリというのは…。
通り魔の奥さんが最後泣いてたのは通り魔に情が移ったとでも言いたいんですかね…フィクションとはいえどこまで被害者側を貶めれば気が済むのか、ゾッとします。
「復讐からは何もry」というのであればいつか右京さんが大切な人を殺されて、それでも法を遵守するところを観てみたいです。きっと右京さんはそうするのでしょうが、他人事だからそう言ってるみたいで…
なかなか刺さる名作でした。
忍成さん陽月さんの演技も良かったし、抑えめの演出も良かったです。
肝心の柳沼夫妻の心情、何を考えていたのか、互いをどう思っていたのか、
今後どうなるのかなどの点についてはどうとでもとれるので、若干モヤモヤしますけど、
”正解らしきもの”を提示されて、「そんなわけあるかい!」って猶更モヤモヤするくらいなら、
これぐらいがいい塩梅かもしれない。
それにしても、”人間のクズ”を演じさせたら忍成修吾さんの右に出る者なしだな。すごい。
(褒めてます)
★★★★★
柳沼勝治という人物をどう捉えるかで感想は異なると思う。
15年前の彼は典型的な金持ちのバカ息子で、自分の思い通りにならないことに癇癪起こしての犯行。プライドが邪魔して反省の弁を口にできず不貞腐れて「死刑になりたかった」などと憎まれ口をたたくが到底本心とは思えない。極悪人からは程遠い単に幼稚な子供という印象。人間のクズには違いないが刑期を終えて出所した人間であり、30代半ばにして寝たきりという現状も相まってそこまで嫌悪の対象とはならない。
今回の事件の発端となった彼の自殺願望は15年前とは大きく異なる。人を殺して死刑になるのと金を払って自分の殺害を依頼するのは全く別の話。後者は安楽死問題とも関わる。自分と結婚した妻の真の目的を知った彼の行動を身勝手とは決めつけられない。
鼻につくのは妻の方。復讐のために相手を騙して結婚するという犯罪的行為が今回の事件の本当の発端であることに気づくべき。少なくとも彼を身勝手と非難する資格なし。
現実社会でも被害者ポジションに身を置いて、独善的かつ攻撃的もっと言うと反社会的行動をとる人がいるが本当にグロテスク。それを正当化するような社会的傾向にも危惧を覚える。
2001年の大阪の付属池田小事件の宅間守の動機が死刑になりたかったこと、獄中結婚した女性がいたことなど思い出します。事件からたった3年後に死刑が執行された時、死刑は本望だったので、これで良かったのだろうか?死刑は当然だけれど、真人間になるまで改心させて命の大切さに目覚めたところで改めて死刑を執行するべきではなかったかと思ったものです。脚本家さんも、同じことを考えて執筆したに違いない。宅間守と結婚した女性に被害者の代わりに復讐しようという意図があったかどうかは判りません。本作で受刑者が病気で動けなくなって、自殺さえできないというのは死刑以上の厳しい罰になったと思います。本望の「殺されること」もままならず、余計な殺人事件まで引き起こしてしまいました。この先も、奥さんの介護が続くのは生き地獄そのものです。死刑制度の是非が議論されていますが、本作は犯罪者にとって「死刑」は救済となることもあり、生き続けることが罪の償いになるのかという課題を突き付けるものでした。
今回も、感動というか、感情に訴えてくる話しでした。
ただ、内容的には、この手の題材は、良くないというか、やはり、あまり増やさないでもらいたい。
と後で、思いました。
見たときにはフィクションなので、感情にくるものはありましたが、他の人も書いていたように、残酷犯を目立たせるようなテーマや悪意にフォーカスがあたり過ぎていて、また実際に、看病をしながら相棒を楽しみにしている人は、この回をどう言った気持ちで見たのでしょうか?
その配慮がないテーマで、看病をする人たちにも、善悪を揺さぶる内容的には、あまり好みではありませんでした。
看病する人たちに、純粋に愛を与えて欲しいです。
それが出来るのも、相棒では?
復讐を誓った女性の演技などは迫真に迫っていましたが、右京、もしくは薫に、もう少し、親に見放された復讐でなく、そのような悲しい過去を救いに変える人生、これ以上同じ境遇の人に悲しみを与えず、支えて上げる生き方もあるのでは? と、諭して欲しかったです。
薫ちゃんのいる二人の相棒なら、そういったサルウィンに行くほどの純粋な人間愛に、この話を昇華出来たのでは?
と思いました。
それこそ、オリジナル相棒コンビの良さか、と。
「ここは端折らずに映像で見せて欲しかったなぁ」
と思われるシーンの数々を、とにかく聖美のセリフ
だけで説明しまくり倒し、お話は超がつくほど淡々
と進んでいく為、センセーショナルな題材を扱って
いながらもドラマ的な面白さは控えめで、個人的に
は全く心には響いてこなかった。例えば冒頭、美和
子が取材で訪れた柿沼宅で、いきなり侵入者に襲わ
れて頭部を強打され倒れ伏してしまうという、結構
な衝撃の導入部から始まるのだけど、美和子は頭部
を出血するほどの重傷を負い、侵入者はそれを見て
慌てて逃げていく、というところでシーンは終わる
ので、導入部も当然そこで終わっていたのかと思い
きや、実はそうではなくて、何とその後、美和子は
玄関から柿沼の居るベッドまでの距離を朦朧とした
意識のまま、死に物狂いでほふく前進のように床を
這っていき、外されていた柿沼の呼吸器のチューブ
に気付いてまた必死に繋ぎ直し、柿沼の命を間一髪
で救うという、とてつもなくハードで勇気ある行動
を成し終えてから意識を失っていたらしい事が、右
京と亀山に語る聖美の話によって判明するのだ。…
これって、何で?何でこんな大事なシーンを、聖美
の後付けのセリフだけでサッサと済ませてしまえる
の?(美和子、重症だったのによ?)。こんなスリ
リングな、しかも、美和子の一大見せ場にも成り得
たシーンを、どうしてアッサリと端折ってしまえる
のか。それは勿論他でもなく、尺が足りなくなって
しまうからという理由もあるのだろうけど、このア
バンタイトルにおけるアッサリとした省略からして
も、とりあえず今回はお話だけでも聖美の説明台詞
だけでとにかくすっ飛ばして乗り切ろう、という方
向性だった事が透けて見える。でも、そんな説明台
詞のシーンの羅列だけの、味も素っ気もなくドラマ
性にも乏しい相棒なんかを観せられる側の身にもな
ってほしい。で、やっとそれらしいシーンが来た〜
と思われたのが、「どうやって許したらいいんです
か?…どうやって許したらいいんですかッ?…どう
やって許したらいいんですかァーッ?」という、最
後の最後の聖美による雄叫び3段攻め。だからこち
らも3回、しっかりと書かせて頂きましたよ(トホ
ホ…)。だけど、今作のような起伏に乏しい流れの
中では3回でも足りないか(10回だったら許そう
かな)などと、本気で考えたりもしてしまった。こ
のラストシークエンスで何とか一気に巻き返して取
り返そうとはしたんだろうな、とは思うのだけど、
流石にコレだけではちょっと…という感じか。聖美
が仇敵である柿沼と結婚するに至るまでの、15年
にも及ぶであろう壮大な恩讐絡みの二人のやりとり
なんかも、聖美の説明台詞のみだけでサラッと語ら
れてしまうのだけど、例えば、聖美が柿沼宛に葛藤
を堪え乍も一心不乱に手紙をしたためる姿であると
か、その聖美の書き綴った手紙を獄中でジーッと読
み耽る柿沼の姿であるとか、聖美と柿沼との緊迫感
溢れるであろうファースト・コンタクトのシーンで
あったり等々、もっと挟み込めた筈、というよりも
もっと挟み込むべきだった筈の印象的なシーンの数
々を、実にアッサリと省略し倒している。省略によ
ってシーンとシーンの行間を想像させるのは映像芸
術の立派な手段であり手法ではあるのだけど、その
べらぼうに省略し尽くしたシーンの数々に代わる何
かを作中にしっかりと残せたのかどうかと考えると
やっぱり疑問だし、切り取るべきシーンも果たして
今回ので正解だったのかどうかと考えると、やはり
疑わざるを得ない程度のものにしか感じられなかっ
た。柿沼の心境に何の変化がないのも、本作がドラ
マ性に乏しい致命的な要因に思えてしまう。「クズ
はやっぱりクズなのでね」という理屈も充分に分か
るのだけど、ここに、本作のヒネリの無さと物足り
なさを感じてしまうのも正直なところ。悪い意味で
既視感が脳裏をよぎるシーンや台詞も散見される。
「二千万円も用意して殺人を依頼するなんてどうか
してますよ」「どうかしてるのはお前の方だ」とい
う、犯人と伊丹による割とどこかで聞いた事のある
ようなやり取り。「この世に、人を殺して解決でき
る事などありませんよ」という、以前にも聞いた事
のある右京のセリフ。まばたきによる意思伝達装置
は、ディーン・フジオカ主演の「モンテ・クリスト
伯〜華麗なる復讐」の中で、病床で動けなくなった
資産家役の伊武雅刀がほぼ同じシュチュエーション
で使っているのだけど、これは忍成修吾氏の責任で
も何でもないのだけど、やはり同じシュチュエーシ
ョンならば伊武雅刀氏による無表情な佇まいの方が
圧倒的に不気味さ百倍。そして何より、入院中の美
和子が亀山と右京を見て寝落ちする序盤のアレは、
織田裕二主演の踊る大捜査線・劇場版第1作の「さ
らば、青島刑事…」の寝落ちのまんま。川崎龍太氏
も段々と良いとこ取りが目立ち始めているのが気が
かりだけど、本作の場合は尺も足りてなければ、お
話を練る時間も全然足りてない状況だったのだろう
と擁護はしておきたい。今後は省略と説明に頼り過
ぎるのではなく、ワンシーンごとの「粘り」、そし
て展開上の「うねり」を意識しつつ取り組んでいか
れる事を切に願う今日この頃です。という訳で、川
崎氏の次作への期待も込めまして、「まばたきの叫
び」(…叫んでた?)には、標準作ギリギリの★3
つを献上。^^
結局、柳沼の目的は達成せず、この先もあのまま生きていくしかないわけで、ある意味一番の生き地獄かもしれない。
また殺人依頼とかしないように今度はネット環境や自由に使えるお金に制限かけられるかもしれないし。
身勝手な理由で人を殺した彼には相応しい末路となったのかな。
にしても、放送前に忍成さんゲストと聞いて火の玉大王の再登場を期待したのは僕だけだろうか。
この話のコメントに火の玉大王と今回の柳沼を合わせて、忍成さんはクズの役が似合うって書いてる人も居るけど火の玉大王は柳沼と違ってクズではないと思うんだよね。
陰謀論を信じるやばい奴に見えて彼なりの正義感や良心はあったし、立場や状況が違えば杉下と協力関係になってもおかしくなかった。
出所したカイトと二人で今頃何かやってたらいいなと思う。
まず右京さん亀山くん美和子さんそれぞれの個性が存分に出ているのがとても良かったですし、
死刑を望んでの殺人・獄中結婚・意思伝達装置
などいくつもの題材を通常回に取り入れているのには相棒らしさを感じると同時に深刻な内容でもあり
「親しかった人が犯人の身勝手な理由で命を奪われてしまったら、、」
「そして自分が約束の時間に遅れなければその命が奪われることはなかったかもしれないという後悔が残ったら、、」
そんな聖美さんのような立場にもし自分がなったらどうするか?
とても考えさせられる部分があります。
そして聖美さんが選んだのは、「犯人であり収容中に全身不随になった柳沼勝治と獄中結婚し、命を奪うべきタイミングがくるまで彼とともに生活していく」というものでした。
その命を奪うべきタイミングだと考えていたのは柳沼が「自らの行いを後悔したとき、死にたくないと思ったとき、生きる希望を見出したとき」であり、
間違えなく復讐するためにそういった計画を立てるのはごく自然なことでしょう。
しかし自然と死ぬときがくるまで生かし続けることこそが真の地獄だともいえますし、
右京さんがいうように「殺人で解決できることなど何もない」というのもその通りなのだろうと思いますが
難しいところです。
生かすことと殺すこと、どちらのほうがより罰になるか?
改めて考えさせられるところがありました。
更にここ最近頻繁に起きている強盗事件を絡めていたのはもちろん
柳沼勝治に命を奪われた被害者・佐竹あやさんの息子であり柳沼家に嫌がらせをしていた佐竹良輔くんや、
柳沼勝治本人に柳沼勝治殺害を依頼されるも
依頼による前金で借金に困ることがなくなり思いとどまった男・町岡と
もっと金が必要だからと町岡さんを殺害して柳沼勝治殺害を実行しようとした男・洲本
など柳沼勝治と聖美さん以外の登場人物の行動も印象に残るものでしたし、
死刑を望んでの殺人はもちろん、逆恨みなど身勝手な動機で
なんの関係もない人々の命を奪う事件はここ数年もよく報道されていたのもあって
「このエピソードで描かれたような事件がいつか現実で起きる可能性もゼロではないのでないか?」と思わせられる部分もありました。
陽月さんと忍成さんの存在感もやはりとても大きかったですね。
復讐心で近づいた聖美さんと全身不随になった殺人犯・柳沼勝治という人物がまさにすぐそこにいるようでしたね。
二人が今後どうなるのか?想像に任せる方向にしたのも良かったのではないかと。
自分が約束の時間に遅れたことで姉妹のような関係だった綾さんの命が奪われることはなかったのではないか、、とずっと悔いて自分自身も許せなかった聖美さんに
亀山くんが「もう、、自分を許してあげてください!」と声をかけ
心に寄り添うシーンもやはりとても良いです。
完成度が高いと思う一方で、
忍成さん演じる柳沼勝治という人物をもっと掘り下げたり、
意思伝達装置を用いたシーンがあればなお物語に深みが増した気はしますが
「生まれ変わった男」「死者の結婚」「逃亡者・亀山薫」
そしてこの回と今までの四作品でかなり力の入った脚本を提供している川崎龍太さんにも今後注目していきたいと思います。
最初の美和子さんが、返事がないとは言え人の家に入っていくのはどうなんだろうね。現実的にそういうことをする人がいるかなぁと残念に思う。
結婚は両者の合意が必要だけど、柳沼勝治はなぜ結婚に合意したのだろうか?そこの描写が無いのが残念。
最後に聖美が「どうやって許したらいいのか」は、柳沼と自分のどちらに言っていたのかな。
そのあとの、亀山の「あなたは十分苦しんだ、もう自分を許してあげて」は聖美を、
杉下の「この世に人を殺して解決できることなどない」は柳沼をということかな。
でも許してしまったら、結婚している意味を失ってしまうんじゃないかな。好きでもなく毎日介護が必要となるような人と今後一緒に暮らすのは辛いだけだろ。離婚するべきだ。
season21で一番好きな話です。特に意外だったのが柳沼勝治を殺すのを依頼したのが彼自信だったことです。ちなみにseason20では同じ川崎さんの「死者の結婚」が一番好きです。遺留捜査も書いてましたがそちらも面白かったです。season22ではどんなエピソードを書いているのか楽しみです。