脚本:櫻井武晴 監督:長谷部安春
ゲスト:江藤潤、鶴田忍、武野功雄、山崎清介
勤勉な勤務態度で近隣住民からも信頼を得ていた交番勤務の長谷川巡査(江藤潤)が、トカレフで腹部を撃たれ殉職した。
事件を聞いた右京は、犯人が凶器を現場に残していったことに疑問を抱く。
鑑識の米沢よると、トカレフに指紋はなかったとのこと。
犯人は手袋をしていたか、指紋を拭き取ったか…。
さらに右京は引金に糸くずがついていたことを聞き、疑問を抱き…。
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「正義」と「組織」、どちらが大切か、どちらを優先すべきなのか。
警察とマスコミに共通する重いテーマに挑んだ作品。
未だにその問題は解決していないように思う。
この作品は「面白い」
やはり何回見てもやっぱりスッキリしない後味が悪いですね。タイトルの「警官殺し」も結局、「殺し」ではなく「自殺」だった訳ですし、過って人を死なせてしまった自責の念と警察組織の陰謀との間で長谷川巡査は相当に苦しんでいたと思う。season1の佐古巡査の時のように辞職して被害者家族に謝りに行く事を何故考えなかったのか?何故「自殺」の答えしか出せなかったのか?自分が死ぬ事で保険金が出やすくするために殺害されたように見せかけて、そのお金を被害者家族に送るなんて後味が悪すぎます。しかも身内をかばう為に「殺人」という事にしてその犯人をかつての罪人の阿倍貴三郎に仕立てようとした警察組織の面々にたまらなく憤りを感じます。
これ、内容的には重いけど見応えはありました。
殺人者に間違われた阿部貴三郎は確かに気の毒ですが、気持ちはわからなくはないですね。誰しも警官に職質をされる思うと、ちょっとイヤな気分にはなるでしょう。自分が何もしてなければ、余計に。長谷川巡査にしてみれば、職質ではなく軽い世間話程度のつもりで話しかけようとしていたんでしょうが、そんな事は相手にはわからないですしね。結果、悲劇を産んでしまったわけだから、何とも後味が悪く重苦しくなってしまいました。
警察のマスコミによる記者会見で真相が明るみになってしまうと、果たして遺族の方々が長谷川巡査の遺族に託した預金通帳等、受け取られるだろうか?
また真相を暴いた特命係の二人も、より上層部から毛嫌いされた事でしょうね。
死んだ長谷川巡査の気持ちもわかりますね。警察官の仕事が好きで誇りもあり、またそれ以上に街の人々も好きだったのに、そんな自分が不本意ながら殺人をしてしまったわけだから、かなりショックでやりきれなかったんでしょう。
自殺する前に遺族に誠心誠意を持って謝罪すべきでしたね。
こうした作品も僕は結構、好きです。
阿部貴三郎が出演したのはpre season1以来でしたね。
でも、阿部貴三郎が亀ちゃんを人質を取ったことが印象的でした。あの時は亀ちゃんが特命係に入る前だったからです。今はシーズン3での相棒として仕事をしてくれているので、問題はないです。
こんばんは。
この回も今日、再放送がありました。
そして再コメントになります。
警察官として、また人間としての亀山薫の「何が正しいか、どうあるべきか?」を問われる最も重要視された回だと思います。
それがこの後のseason5「裏切者」回へと繋がって行ったのだと思います。
亀山君が警察官として真っ直ぐに筋を通そうとする事は、亡くなった長谷川巡査が守ろうとしたものを壊してしまう事になる。
しかし、それでも真っ直ぐでありたいと願う亀山君の姿が立派でした。
そして右京さんと官房長の「鍋物の蓋」論は、この後のseason4「冤罪」へと繋がって行きました。
実に見応えのある話だったと思います。
人間の内面的な部分を描かせる事の天才、櫻井脚本ならではの面白さが味わえますね。
阿部基三郎に話しかけようと追いかけていたらおばあさんにぶつかってしまい助けようとしたが死なせてしまった。
お世話になった長谷川巡査長の死の真相は警察組織を守るための拳銃自殺だった。
その真実を明るみにする覚悟はあるか?と亀山くんに問う右京さん
また警察官としても人としても覚悟してうなずく亀山くん
鍋料理を食べているときに警察が隠蔽しようとしている状況を「沸騰した鍋に蓋をするとふきこぼれてしまう。」と表現し、官房長に伝える右京さん。
記者である美和子さんの仕事ぶり
地域部長に全ての事実を話させるためマイクを渡す内村刑事部長
やはりとても綺麗にまとまっていると同時に
警察官としての在り方、そして覚悟、
少しモヤモヤ感の残る終わりかた。
このエピソードもまた相棒らしさ溢れる櫻井さん脚本の良作のひとつですね。
捜査一課や組対五課の皆さんがお笑い的要素になっているのも話としてバランスがよかった。
亀山君と美和子さんの微妙な空気感や大河内監察官の立ち位置、ブレない特命係の正義感などの描写が巧みで重い話ながらも何度も見たくなる。
阿部貴三郎の再登場や「冤罪」への布石など見どころも満載。
「ボディ」で右京さんがジャンケンを持ちかけるくだりは、この話から来てるのかなぁと、どうでもいい妄想も膨らみます。
関東圏の再放送では、season3の警官殺しのストーリーでした。警察官の正義を問われる場面が流れたときは、本当にかわいそうな気持ちがあったと思う。警察組織を隠していた所轄に憤りを感じました。何か正しいか、そして何が間違っているのかそのあたりが一番印象に残っているシーンがあった。そして何より一番好きなところでは、手柄をどっちに渡すかどうかの一課と組織犯罪課の掛け合いのセリフが一番大好きでした。
事実を捻じ曲げ、他人に罪をなすりつけてまでして不祥事を隠蔽する官僚組織。
隠蔽を命じられ良心の呵責に苦しみ死を選ぶ善良な公務員。
官僚組織から情報を入手できなくなることを恐れて不祥事のスクープを握り潰し隠蔽に加担するマスメディア。
公文書改竄を命じられ自死を選んだ財務省官僚の遺書が公表されましたが、
十数年後に起きる事件を予見したかのような脚本に驚嘆しましたが、
ドラマの世界だけかと思っていたことが現実になってしまったことを嘆くべきなのでしょうか。
残念なのは、現実世界には特命係は存在しないことです。
中盤で早くも事件の真相が明らかになってからの、
右京、亀山、美和子、大河内、小野田らの、覚悟と信念を持った言動は、
印象に残るシーンやセリフも多く、なかなか見ごたえがあります。
貧乏くじを引いたと嘆く捜一、引かずに済み安堵する組対のくだりも楽しい。
★★★★☆
冒頭での警察葬での美談は嘘で、実際は、亡くなった警察官が、対象者を追跡中に老女とぶつかり死なせてしまった贖罪ゆえの自殺だった(しかも対象者は誤認逮捕された)。
もし阿部貴三郎が、警察あるいは職務質問への恐怖感から逃げなければ、もし長谷川巡査長が阿部さんに笑顔で近付くよりも優しい言葉で接していたら、もし阿部さんが今まじめに生活している事を長谷川さんにお伝えすれば、結果論に過ぎませんが、この直後に悲しい結末が長谷川さんを襲うとは残念でなりません。
事実を曲げて阿部さんに罪を擦り付けたとしても、結果的には矛盾点が生じ、いずれ真実は明るみになるのでしょう。ラストでは、その後始末で失脚した地域部長が晒し者にされる、不祥事をごまかそうとしても、遅かれ早かれ真相が判明しあのようになるのでしょう。
小ネタとしては、亀山さんと美和子さんの公園のベンチでのシーン、亀山さんの「ハトの餌」がいいですね。
阿部さん逮捕に奮闘する捜査一課vs組対五課。阿部さん潜伏情報の盗聴の末に捜査一課が逮捕も、阿部さんは無実。その後の明暗がよかったです。